筆者が所属する発達相談支援センターを利用される方のなかには、大学や専門学校など(以下、大学等と表記)に進学する方も多くいらっしゃいます。在学中は、本人の学力と家族の手厚い協力、周囲の理解と配慮などでなんとか学修を進め、単位を取得して進級、卒業を果たす人がほとんどですが、その後の自立・就労でつまずくケースもあります。
もちろん学歴が高ければ、卒業後の進路の選択肢は広がります。しかし、巷でイメージされるような「高学歴(=プラチナチケット)」が、本人の将来的な自立や就労を保証するとは限らない現実もあります。利用者のお一人が、面談中にやや自嘲気味にお話しになったことばが筆者には強く印象に残っています。曰く、「高学歴でも、ちゃんと生きづらいんです。」
今回は、大学等へ進学するうえで留意すべき点についてお話しします。
入学までの道のり
少子化の影響下、大学等も学生数を確保するために、「総合型選抜(旧AO入試)」をはじめ、入試にさまざまな方法を導入しています。筆者の担当するケースでは、試験当日に強いプレッシャーがかかる「一般入試」を避け、高校入学時から「指定校推薦」をめざしている方が半数以上です。
不安や緊張で入試本番に弱く実力を発揮しづらいものの、日常的にコツコツと学習を積み重ねて成績を維持できるタイプの方は、指定校推薦を戦略的に選ぶとよいでしょう。学科試験を免除される代わりに、小論文や面接などが課せられる場合もありますが、ほとんどが年内に結果が出るので、合格してしまえば、高校卒業までの約3カ月間は気持ちに余裕をもって入学に備えることができます。ただし、本人の興味関心のある学部や学科からの推薦枠があるとは限りませんし、当然のことながら校内選考では成績の高い者が優先されます。
そういった地道な勉強は苦手なものの、一度聴けば、あるいは一度読めば(見れば)、さまざまな知識が自然と頭に入ってしまうようなタイプの方は、「一般入試」で筆記試験を受けるほうが、その優位性を発揮できるでしょう。いずれにせよ、本人の特性に合った入試方法を選ぶことが大切です。
一般的には、学生数の少ない小規模な大学等を選び入学した場合、教職員と学生、学生同士の距離が近く、比較的サポートを受けやすい環境があるようです。しかし、少人数であるがゆえ、本人の特性が目立ちやすく、人間関係に疲れることもあるかもしれません。その点、学生数が数万人単位のマンモス校であれば周囲の視線は分散するので、よい意味で集団のなかで目立たなくなることが可能です。このあたりは本当にケースバイケースなので、本人の特性をよく考えて出願先を検討する必要があります。












