医療や福祉などの専門機関は何をするところで、いつ利用するとよいのでしょうか?
 保護者が専門機関にお子さんの発達に関する相談をするきっかけは、就学前の乳幼児期と、就学後の学齢期で異なります。また、障害種別とお子さんの生活環境は、保護者が相談に訪れる時期に影響します。
 今回は主に年齢による違いを、事例を交えながら考えてみます。

乳幼児期でのきっかけ

① 乳幼児健診・保健センター等
 知的障害はもちろん、自閉スペクトラム症(ASD)など発達障害の診断技術の向上により、日本では就学前に診断できる医療機関が増えています。ただ、発達が心配であっても、すぐには専門機関へ相談に行きたいわけではないという場合、地域の保健師(市区町村の保健センターや子育て支援センターといった名称で母子保健業務を担当)や心理士が相談にのってくれます。

 各自治体では、お子さんの発達経過をみるための乳幼児健診を行っています。たとえば1歳6カ月児健診や3歳児健診では身体発達に加え、言語や社会性などの発達の経過を医師や保健師が確認をしています。また保護者の育児相談にものってくれます。

 保健師や心理士に相談したからといって専門機関へ行かないといけないわけではありません。子育ての苦労や悩みを傾聴し、必要ならばお子さん本人と保護者に助言をしてくれます。そのなかで、保護者が専門機関へ相談してみようかと思えたときが専門機関を訪れるきっかけとなります。大切なことは、どこにも相談せず、一人で悩む状態が続かないようにしてほしいということです。

② 保育所・幼稚園等
 近年、共生社会の実現をめざして、さまざまな取りくみがなされています。発達特性のあるお子さんが安心して保育所や幼稚園で生活を送ることができるよう、専門的な知識や技術をもった保育士や幼稚園教諭を配置する園が増えています。インクルーシブな保育や教育を展開している場所では、障害の有無を問わず、さまざまなお子さんが丁寧な指導を受けやすくなっています。

 そして、より専門的な支援を受けたほうが適当と思われる場合や、就学後を見すえて専門機関での助言や支援を受けたほうがよいと考えられた場合には、保育士や幼稚園教諭が保護者との面談などを通じて、専門機関の利用を提案することがあります。お子さんの発達について丁寧に保護者と共有して、最終的に子育てをするうえで必要だと考えれば、専門機関の利用を勧めます。

 大切なことは、保育所や幼稚園と保護者がお子さんの発達を支えるために何が必要なのかを一緒に考えることです。