みんなが暮らしやすい世の中になるために

 授業の一番最後には、社会の中には身体が不自由で補助犬と暮らす人や年をとった高齢者、日本語が話せない人、ほかにも誰かの助けを必要としている人がたくさんいることを伝えます。ひとり一人ができることをお手伝いすれば、社会は暮らしやすくなるため、子どもたちに「みんなも自分ができることをやってみてください」と話して締めくくります。補助犬を入口として、ユニバーサルデザイン社会*について理解してもらえることを願い、いつも補助犬授業を行っています。

*ユニバーサルデザイン社会:年齢、性別、国籍、障がいの有無、個人の特性や置かれた状況などにかかわらず、すべての人が最初から安心して快適に使えるように、製品や環境、情報提供やサービスなどがデザインされた社会のこと。よく似た考え方に「バリアフリー」がありますが、バリアフリーは高齢者や障がいのある方を対象として、日常生活の中で障壁(バリア)となるものを取り除いた状態をさすのに対し、ユニバーサルデザインははじめからバリアをつくらないという考え方です。すべての人にとって暮らしやすい社会を「ユニバーサルデザイン社会」といいます。


山川 伊津子(やまかわ いつこ)

ヤマザキ動物看護専門職短期大学 動物トータルケア学科教授。
社会福祉士、精神保健福祉士。
動物を介在させた人の福祉とそれに伴う問題をVeterinary Social Workの視点から教育・研究し、小学校や高齢者施設で活動を実施している。

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