前回までのお話で、家庭における犬たちの存在が、人々を幸せにするだけでなく、人と人をつなぐきっかけにもなっていることをお伝えしてきました。今回は小学校で行われている補助犬の授業についてお話しします。

補助犬について正しい知識を広めるために
補助犬には「盲導犬」、「介助犬」、「聴導犬」の3種類があり、ぞれぞれの犬は身体障害者補助犬法という法律にのっとり育成され、使用者と暮らしています。盲導犬は視覚障がいのある方、介助犬は肢体不自由のある方、聴導犬は聴覚障がいのある方の日常生活をサポートします。

▲これなーんだ⁈ 参加するお子さんにアイマスクをつけてもらい物あてクイズ
(町田市立小山小学校)
2002年に制定・施行されたこの法律は、身体に障がいのある方の自立と社会参加を促進することを目的としており、そのため補助犬の同伴を社会の中で認めています。しかし、制定されて20年以上経ちますが、未だに認知度が低く、多くの使用者が補助犬の同伴を拒否された経験をもっています。
補助犬について正しい知識を広めるため、育成団体などは普及啓発に力を入れており、私が実施している小学校での「補助犬授業」もその一環です。子どもたちに補助犬と補助犬使用者に対する正しい知識を伝えることで、その広がりを期待しています。授業は小学校4年生の「総合的な学習の時間」を使い、八王子市や町田市の小学校で毎年実施しています。八王子市内在住の盲導犬使用者さんと一緒に、障がいのことや補助犬のことについてデモンストレーションを入れながら90分間の授業を行います。

▲盲導犬と一緒に歩く様子にみんな興味深々 (町田市立小山小学校)