「逆思考」の計算とは?

 算数的な思考には、「順思考」と「逆思考」の2とおりがあります。たとえば「昨日は花が3つ咲いていました。今日は4つ咲きました。では、花はいくつ咲きましたか?」という問題は、順番に考えて正解にたどりつく思考で、「順思考」と呼びます。

 一方、「昨日は花が3つ咲いていました。今日は8つ咲いていました。では今日、花はいくつ咲きましたか?」といった質問の場合、花の数は増えているのに、質問の解答は「8-3=5」というように、ひき算の計算方法でたどりつきます。

 このように、実際に答えを求める際の演算が、問題の表現とは逆になる場合を「逆思考」といいます。順思考に比べると難易度が高いのがわかると思いますが、算数ではこの逆思考ができることが、とても大切になります。

 今回紹介した「数遊び」は、逆思考が働きます。たとえば、「『8』にするには、『3』にあといくつがあればいいのかな…?」というように、逆思考での計算が必要になります。逆思考のトレーニングのためにも、今回のトランプ遊びは役に立つことでしょう!



澄井 俊哉(すみい としや)

グレーゾーンと発達障がいの子どもたちの特性サポート型学習塾「すばるゼミ」教室長

1984年相模女子大学小学部に赴任。「わかる授業、楽しい授業」に向けた指導のあり方を長年研究し続け、「総合学習」のカリキュラムの作成、「学習毎日プリントクリアー」の開始、「漢字ベルトタイムと漢字検定」の導入などを推進した。2016年に副校長に就任。コロナ禍においては、子どもたちのために、本の読み聞かせを200冊以上校内で配信。日本全国私立小学校連の研究大会において2013~2015年の間、国語部会の全国委員長を務める。

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