知的障がいの方々が、みな、犬が好きだというわけではありません。怖がる人もいますし、露骨に嫌がる人もいます。今回は、犬を怖がる元気で社交的な青年に対して、他者への迷惑行動に介入した事例をご紹介します。

Kさんとジェシカ

 Kさん(男性・20代・注意欠如・多動症)は筋肉質な体格で、外部から刺激が入ると一目散に行動してしまいます。最も困ることは、2階から1階のホールへ向かうとき、他者を押しのけていち早く移動しようとしてしまうことです。足が丈夫でない人だけでなく、障がいのない方へもケガをさせてしまう恐れがありました。食事も“早食い”で、他者のごはんまで盗んで食べようとしてしまいます。

 施設の職員が利用者全員に食事時間を発信する伝えるときなどは、まず、周囲への配慮ができないKさんを捕まえる必要がありました。Kさんが動くと事故が生じるリスクが高まるからです。周囲への配慮ができるよう、Kさんの行動変容を目的としてジェシカ(イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル)を活用したアニマルセラピーを実施することにしました。