事例3:「子どもが単独で来談する場合」
特別支援学級に在籍する中学生が、自発的にSCのもとを継続的に来談したことがありました。昼休みや放課後に一人で相談室にやってきて、将棋やオセロなどのボードゲームをSCと行いながら、同級生や教員との人間関係、勉強のこと、家族とのことなど、不安や不満を語りました。また、特別な悩みはなくても、相談室で過ごすことで気分転換を図れることもありました。こうした利用の仕方は通常学級在籍の生徒と何ら変わりがありません。
特別支援学級は少人数とはいえ、生徒と担任にはそれぞれ個性があるので、そこでの人間関係に思うことはあるでしょう。また、小学校までは通常学級だったけれども、就学相談で中学校から特別支援学級に転籍したケースでは、挫折感をもつ生徒もいます。
子どもがこうした話を、家族や学級担任などの大人にうまく話せない場合に、SCの存在が助けになることがあるのです。

今回ご紹介した事例を通して、発達障がいのある子どもやその保護者にとって、スクールカウンセラーが、学校生活での困りごとや不安、不満などを成績評価とは関係なく受け止め、気持ちや考えを整理したり、問題解決のアイデアを一緒に考えたりしてくれる存在になり得ることを知っていただければ幸いです。
橋本 和幸(はしもと かずゆき)
- 相模女子大学 人間社会学部人間心理学科 教授。
臨床心理士、公認心理師、学校心理士スーパーバイザー。これまでに、スクールカウンセラーや教育相談所相談員として発達支援や心理支援に携わり、特に発達障がいや不登校、青年期の心理的課題に関する実践と研究を行ってきた。大学では公認心理師養成科目や、子育て支援センター相談員として地域の心理相談(不登校支援など)を担当し、地域や学校との連携を通じた実践的な支援にも力を注いでいる。


















