その子がその子らしく発達するための支援を!
私が長く一緒に活動している知的・発達障害のある社会人のみなさんは、平日の日中は仕事をして、休日は自分が好きで楽しいと思える余暇や体調を整えるための休息をとってQOLを高めています。
彼ら・彼女らは早い時期から医療や福祉での支援を利用し、特別支援学校でキャリア教育を受け、就労後もライフ・キャリアをはぐくんでいます。そして、親・家族(もう成人しているので保護者ではなく)が脇から見守っています。このように「その子がその子らしく発達する」ためには環境の選択が重要なのです。
保護者が教育や福祉の制度を情報収集し、適切な環境がどこかを子どもと一緒に考え(押し付けではなく)、最後は子どもが必要だと思う環境や制度・サービスを決定できれば、QOLは高まると考えています。
●子どもの伴走者としての保護者
保護者は子どもの人生の伴走者であり、進学や就労などのライフイベントで子どもの選択や決定をサポートする役割があると考えます。そのために、本連載を通してさまざまな事例や教育・支援の実際を知っていただきたいと思います。
2005年の発達障害者支援法の施行から20年経った今、日本では発達障害(知的障害を含む)のある人たちに対する支援が整備されてきました。このことは、支援が受けやすくなったという点で子どもや保護者の大きな安心につながっています。
とはいえ、保護者が子育てのなかで進学や就労というライフイベントを見すえながら、子どものライフ・キャリアを脇から見守り、必要なときに子どもを支えるための準備や心がまえをするのは容易なことではありません。多くの情報があふれるなかで、この連載が少しでもたしかな内容として保護者のみなさんの参考になればと思っています。
【お役立ちリンク】
文部科学省(2023) 中学校・高等学校キャリア教育の手引き
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/detail/mext_00010.html
武部 正明(たけべ まさあき)
- 相模女子大学 人間社会学部 人間心理学科 准教授。
博士(教育)、公認心理師、臨床⼼理⼠、臨床発達⼼理⼠スーパーバイザー。
学齢期や青年期、成人期の知的障害・発達障害のある方々への支援に加え、大学では就労する障害者向けの生涯学習プログラムの開発に取りくんでいる。
共著書に、「臨床心理学」(医歯薬出版)、「福祉心理学」(医歯薬出版)、「中学校通級指導教室を担当する先生のための指導・支援レシピ : 今日から役立つ!基礎知識&指導アイデア 」(明治図書出版)、共訳書に「対人プロセスと心理的諸問題 : 臨床社会心理学の視座」(晃洋書房)がある。


















