子どものライフ・キャリアを支える
「人生をいかに楽しく幸せに過ごせるか?」というもう一つの視点は、子どものライフ・キャリアを支えることです。
キャリアというと仕事上の経歴や経験をイメージする方が多いかもしれませんが、ライフ・キャリアとは、自分の人生におけるさまざまな「役割」のことを指します。文部科学省のキャリア教育にも盛り込まれている「ライフ・キャリアの虹」(下図,ネビル&スーパー,1986)によると、ライフステージに応じて学業や労働、家庭(家事や子育て等)、余暇・趣味などに取りくむことが必要とされています。
たとえば、15歳の中学生であれば、「まだ経済的に親から自立していない子ども」、「学校で学ぶ学生」、「友人と遊びに行く・一人で動画を観るなど趣味を楽しむ人」といったようにいろいろな「役割」があります。
さまざまな「役割」を経験することで、子どもは自分が「何を好きなのか、得意なのか、大切にしたいのか」を考えることができるようになります。
成人するころには、仕事・家庭・余暇のバランス(配分)を自分で判断できるようになれば、あとは保護者が見守るだけで十分なのです。
しかし、進学や就労という大きなライフイベントを前にすると、保護者はついつい学業や職業という「社会への適応スキル」だけが大事なことのように思えてしまいます。それはさまざまなメディアが「適応」を強調している影響が大きいかもしれません。
適応やスキルを伸ばすことは子どもの成長につながる一方で、子どもが素のままで安心・安全に、楽しく生活できるという視点も重要です。ライフ・キャリアの視点からみると、適応することだけでQOLが高まるとは限らず、これはたとえばワーク・ライフ・バランスを重んじる考え方にも通じます。

▲ライフ・キャリアの虹
(文部科学省「中学校・高等学校キャリア教育の手引き 第1章第1節 キャリア教育の必要性と意義」内の図を元に作成、一部改変)












