アニマルセラピーのほとんどは訪問型の活動で、ボランティアの方が自分のコンパニオンアニマル※1を連れて参加します。今回はそのようなボランティアとして活躍するM子さんと愛犬のお話です。

※1 コンパニオンアニマル:人間の伴侶としてのペット。一方的な愛情の対象としてではなく、心を通じ合う対象として考えようとする立場からいう語。

愛犬「ちゅら」との出会い

 東京都八王子市に住むM子さんは、もうすぐ1歳になる娘さんがいるお母さんです。隣の日野市にある実家には、4年前にM子さんが家族を説得して飼い始めたラブラドゥードル※2の「ちゅら」がいます。

※2 ラブラドゥードル:ラブラドール・レトリーバーとスタンダード・プードルの交配種。

 M子さんはもともと幼稚園教諭や保育士として働いていましたが、高校生のころから痛みだした膝の状態が悪くなり、7年間続けた仕事を辞めることになりました。その後、リハビリと趣味を兼ねてダイビングのインストラクタ―の仕事に就きますが、さらに膝の状態が悪化してしまい、手術のため2年ほどで辞めざるを得ませんでした。術後も家の中は伝い歩き、外では車いすという生活になり、一生このままなのかと思い詰めていた時期に出会ったのが「ちゅら」だったのです。

 「痛み止めを飲んでもいいから散歩をして体を動かすように」と医師から言われ、ならば犬でも飼おうかといろいろ調べてたどりついた犬種がラブラドゥードルでした。初めての犬でしたが、どうしても大型犬がいいと思い、千葉県のブリーダーさんのもとで生まれた生後2カ月の「ちゅら」を迎えたのが2021年の1月でした。


▲出会ったときのM子さんとちゅら