徐々に深まっていく「ちゅら」との絆

 ちゅらはとにかくやんちゃな子犬でしたが、M子さんは一生懸命にお世話をしていくなかで、徐々に膝の痛みは消えていきました。最初のころの散歩は、片側で松葉杖をついて行っていました。危ないと心配するご家族に対して、M子さんは「大丈夫。ちゅらは絶対に引っ張らないから」と自信をもっていました。教えたわけでもないのに、ちゅらはM子さんと歩くときは必ず車道側に立ち、彼女の歩調に合わせてゆっくりと歩きます。ほかの家族のときは引っ張りまくるのに……。また、M子さんが床に座った状態から立ち上がるときは、つかまらせてくれたのです。

 1歳になるころ、近所の犬友だちから紹介され、ヤマザキ動物看護大学(八王子市)のモデル犬※3となり、トレーニングやグルーミング※4の実習で活躍してくれるようになりました。私たちが毎月実施している高齢者施設でのふれあい活動や小学校での動物介在教育にも、いつも参加してくれます。普段は元気いっぱいのちゅらですが、高齢者や子どもを前にすると、本当におとなしく、どうぞ触ってとセラピードッグのお手本のようになります。みんな「ちゅら」が大好きです。

※3 モデル犬:学校法人ヤマザキ学園のモデル犬制度は、登録された家庭犬が学園内の学校の実習授業を中心に活躍します。

※4 グルーミング:日本では「トリミング」ということばが一般的ですが、トリミングは小部位を整えることで、もともとは健康管理を兼ねたお手入れ全般の総称を「グルーミング」といいます。