「メンター」とは、あまり聞きなれないことばですが、日本語で「指導者」、「助言者」、「支援者」という意味です。ビジネスの分野でよく使われることばですが、福祉の分野では“信頼のおける相談相手”のことを指すといえるでしょう。そして「ペアレント・メンター」とは、自身も発達特性のあるお子さんの子育てを経験していて、かつ相談支援に関する一定のトレーニングを受けた親のことを指します。今回は、そんなペアレント・メンターについてお話しします。

ペアレント・メンターとは?
ペアレント・メンターは、自らも発達に特性のある子どもの子育てを経験し、同じような子どもをもつ親に対して、共感的な姿勢で支援を行い、サービスなどの地域資源の情報を提供したり、自身の体験談を話したりすることができる方たちのことです。
専門機関による支援も大変重要ですが、同じような経験をもとにした、高い共感性に基づくペアレント・メンターによる支援は、より当事者の気持ちを理解し、寄り添う姿勢が強く、厚生労働省においても有効な家族支援システムとして推奨されています。
こういったペアレント・メンター活動は、今や発達特性のある子どもの支援に限らず、ほかの障がい領域への広がりも見せており、今後さらに期待されているシステムになっています。なお、このような当事者同士の支援体系のことを「ピアサポート」と呼びます。