前回と今回の2回にわたり、本・絵本についてテーマ別にご紹介しています。前回はアニマルセラピーに関する本を取り上げましたが、今回は補助犬とペットロスに関する本です。
「身体が不自由な人を助ける」犬たちの物語
■『介助犬ターシャ:Service Dog TASHA』(大塚敦子/ 小学館)
この本はグリーン・チムニーズ※の創設者であるサミュエル・B・ロス博士(Dr. Samuel B. Ross)の来日公演を聞きに行ったときに販売されていた本です。肢体不自由のある少女ステファニーと介助犬「ターシャ」との関係が本当に素敵で、授業でもたくさん紹介してきました。
この介助犬を育てたのが女子刑務所内の受刑者で、介助犬育成プログラムが受刑者たちの心の成長や更生・社会復帰につながるというのもすばらしいことです。詳しくは、本連載の第23回でご紹介した書籍『犬、そして猫が生きる力をくれた』(大塚敦子/ 岩波書店)をご参照ください。
※米国のニューヨーク州に拠点を置く、情緒や行動面に問題を抱える子どもを教育・支援する機関。広大な敷地内で、動物や自然とのつながりを大切にしたアニマルセラピーのプログラムが行われている

■『日本最初の盲導犬』(葉上太郎/ 文芸春秋)
日本の盲導犬の歴史は戦後だと思っている人が多いのですが、実は戦前に活躍していた犬たちがいたのです。その実態が写真とともに丁寧に描かれています。戦前の盲導犬の1頭が剥製となって、日本盲導犬協会「富士ハーネス」のロビーで、今も盲導犬の育成を見守っています。

■『教えてもっと、美しい音を~聴導犬・美音と過ごす幸せな日々~』(松本江理/ アーティストハウス)
著者の松本さんは、日本を代表する聴導犬ユーザーの一人です。身体障害者補助犬法の制定前には、盲導犬や介助犬の使用者とともに聴導犬の「美音」を連れて社会的理解を広げるための活動(ロビー活動)を行い、法律制定の一役を担いました。20歳で音を失った彼女は、聴導犬とともに3人の子どもを育て、今は3代目の聴導犬「チャンプ」とともに全国を飛び回り、補助犬の啓発活動を行っています。音のない世界の怖さと、その恐ろしさは聴導犬がいることで乗り越えられることを、この本から教えてもらいました。

▲(左)2006年に改題のうえ文庫化された版/ (右)2003年刊行の単行本












