発達特性と共に歩む方々のリアルな声を届ける特別連載。第2回は、現在20代で会社員として働く小野 詩菜(おの しいな)さんのインタビュー記事の後編です。前回に引き続き、現在の仕事についてやキャリアデザイン、余暇活動のことまでお話を伺いました(取材:2025年9月20日)。
お客様からの感謝の声がうれしい
私は保険会社の特例子会社に勤めていて、パソコンでのデータ入力を担当しています。ほかに、お客様にお送りする書類に同封する折り鶴を作る仕事もしています。2018年に入社したので、もう8年目になります。現在は一般社員の一つ上の「トレーナー」という職位で、見学会での説明や実習生の指導も担当しています。
入社したころは、仕事を覚えて目の前のことをこなすのに必死でした。入社当初は清掃の仕事も並行していましたが、今はデータ入力の業務に専念しています。
折り鶴の業務は会社が大切にしている取りくみの一つで、入社当初からずっと担当しています。お客様から感謝のことばをいただくことも多く、とてもうれしいです。
もともと折り紙が好きで、高校3年のときに「事務職を希望するなら手先を器用にしておこう」と思って、折り鶴の練習をしていました。たまたま今の会社で折り鶴の仕事があると聞き、「私にぴったりだな」と感じてずっと続けています。

▲詩菜さんが作った折り鶴
職場では少し上をめざしたい
最近は、職場でトレーナーとして働くなかで、さらに上の「リーダー」という職位をめざしたいと思うようになりました。人事面談のときには「リーダーになりたい」と伝えています。
上司からはアドバイスをもらえますが、「ここまでやればリーダーになれる」という明確な基準はなく、試験などがあるのかもまだわかりません。リーダーは障がいのない社員が多いので、比べて「自分はここができないな」と感じることもあり、「どうしよう」と悩むこともあります。
それでも、入社当初から「少し上をめざしたい」という気持ちはありました。会社の特徴の一つとして、障がいの有無にかかわらず上をめざせるという話を、入社前から聞いていたんです。
特別支援学校高等部で就職先を決めるときは、2年次にいろいろな職種を体験し、自分の希望する職種の会社に実習に行くという流れでした。実習を通して「自分に合っている」と思えたら、3年生の実習でも同じ職種の会社に行くしくみです。
たくさんの会社のなかから自由に選ぶというより、先生から「こういう会社もあるよ」「この会社はどう?」と紹介を受けながら決めていくかたちでした。












