事例2:「通信制普通科高校に進学したBさん」
自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如・多動症(ADHD)のあるBさんは、友人や教員とのトラブルが原因で在籍中学校で不登校になり、適応指導教室を利用していました。視空間認知の能力が高く、小学校高学年ごろからは対戦型のゲームに熱中しており、大会では上位にランキングされる腕前をもっていました。そんなBさんは、インターネット上で情報を得て、「eスポーツ科」を新設した通信制高校に興味を示しました。
保護者は、Bさんが選んだ高校が「通信制」であったことに当初は難色を示しました。しかし、親子で何回か説明会や体験入学会に足を運び、その学校のカリキュラムや登校スタイルへの理解が深まると、「高校卒業資格を必ず取ること」を条件に進学を応援してくれるようになりました。ほかの通信制高校よりも学費が高額なことをBさんもよく理解しており、両親の応援には感謝し、その期待に応えたいと考えていました。
当該高校の登校スタイルは柔軟かつ多様で、すべて自宅で学ぶオンライン授業から、最大週5日登校することまで、生徒が自由に選ぶことができ、年度途中の変更も可能でした。Bさんは、週2回登校するスタイルから1年次を開始しました。通い出してみると、eスポーツ科には最新の機器が充実しており、講師もプロゲーマーOBが多く、適切な助言を与えてくれる環境が整っていました。
2年次に進級すると、Bさんは併設の中等部の特別授業にも参加し、後輩の面倒を見るようになりました。学校からは、わずかながら報酬も支払われ、Bさんは生まれて初めてのアルバイトを在籍校内で経験することになりました。人づきあいが苦手なBさんでしたが、「自分の好きなもの・得意なこと」でほかの人の役に立て、しかも報酬も得られるという経験は、学業以上に貴重なものとなりました。Bさんはその後、ゲーム以外の映像メディアや仕事におけるチームワークにも興味をもつようになり、関連する専門学校に進学しました。













