又村さんによる特別セミナー「発達凸凹さんの働くと暮らしの選択肢」

 発達凸凹さんフェスタ内では、「全国手をつなぐ育成連合会」の常務理事兼事務局長と日本発達障害連盟常務理事を務められる又村あおいさんによる、「発達凸凹さんの働くと暮らしの選択肢」と題する特別セミナーが開催されました。発達特性のある子どもたちが将来自立して就労し、暮らしていくためには親がまず何をするべきかについて熱弁され、保護者にとって大変有意義なものとなりました。

 セミナー内容のうち、先生のお話のなかで保護者に特に知っておいてほしい点について、いくつかご紹介したいと思います。


▲セミナーの様子

■その1:親はまず何をするべきか
 発達特性のある子どもたちの就労や暮らしの選択肢は常に変化しており、さまざまな可能性を考慮しておくことが大切です。しかし、実際は親だけでその情報をすべて集めることは困難です。そのため、相談支援を積極的に利用していきましょう。

 また、親が元気なうちであれば、いろいろな暮らしを試して失敗したとしても、子どもを助けてあげることができます。ですから、早いうちから試してみることも大切です。

■その2:発達特性のある人にとって働きやすい職場について
 発達特性のある人にとって働きやすい職場として、以下の2点があげられます。

1. 特例子会社
 特例子会社制度とは、事業主が障がい者雇用に特別配慮した子会社を設立し、一定の要件を満たす場合は特例として子会社に雇用されている労働者を親会社に雇用されているものとみなして、実雇用率を算定できる制度のことです。特例子会社は、特に就業者のうちの障がい者の割合が高く、障がい者にとって働きやすい環境が整えられています。特例子会社の標準給与月額は12万円で、最低限の生活ができるくらいの賃金はもらえます。

【参考文献】
「特例子会社」制度の概要(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/shougaisha/dl/07.pdf

2. 就労継続支援事業所
 一般的な企業で働くことが難しい場合は、福祉的な支援を受けつつ働くことができる就労継続支援A型事業所と就労継続支援B型事業所があります。それぞれの特徴については、以下の表をご覧ください。

表1 就労継続支援A型事業所と就労継続支援B型事業所の比較


■その3:発達特性のある人の暮らしについて
 発達特性のある人への暮らしの支援としては、以下のようなものがあります。

表2 主な発達特性のある人への暮らしの支援


 親はその子に合った暮らしを選択ができるよう、こういった知識を得ながら、相談員と一緒に考えていくことが大切です。


▲発達特性のある人の暮らしの選択肢についてわかりやすく解説される又村あおいさん

 来年度の「発達凸凹さんフェスタ2026」は、2026年4月2日(木)ユニコムプラザさがみはらにて開催が決定しています。

【問合先】
■発達凸凹さんフェスタ実行委員会

https://hattatsu-festa.hp.peraichi.com/ 
メールアドレス: hattatsu.festa@gmail.com


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