前回の記事では、動物たちが私たちに与えるプラスの影響として「心理的効果」、「生理的・身体的効果」、「社会的効果」があるということ、そしてこの3つの効果を社会の中で活かしていく活動が「アニマルセラピー」だとお伝えしました。今回は、家庭でペットと暮らすということに、どのような意義があるのかについてお話しします。    

人生の「発達段階」って?

 家庭の中で人と暮らす動物たちはペット(愛玩動物)と呼ばれますが、そのペットは家
族のさまざまなライフステージにおいて、この3つの効果で私たちを支えてくれます。ライフステージというのは、人が生まれてから亡くなるまでの一生を、人生の節目で区切ったいくつかの段階のことをさします。

 エリクソンという心理学者は、人は生涯発達していくという考え方のもと、一生を8つの「発達段階」に分け、それぞれのステージにはクリアしなければならない「発達課題」があると述べました。そしてこれらの発達課題が達成できないと、「危機」が訪れると考えました。