日常生活におけるさまざまな負担は、生活の安定性などに影響を与える大きな要素となりえます。そんな日常生活における負担を軽減できる制度のなかから、今回は医療にかかわる負担の軽減を目的として設けられている公費負担医療制度である「自立支援医療」をご紹介します。
「自立支援医療」には、どんな種類があるの?
自立支援医療は、心身の障がいを除去・軽減するための医療について、医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度として設けられており、指定医療機関や指定薬局で「診察料」、「薬代」、「手術やリハビリに関する費用」、「精神科デイケア」、「往診や訪問看護」などの費用について公費が支給されます。
自立支援医療で公費として支給される自立支援医療費は、「精神通院医療」、「更生医療」、「育成医療」の3種類に分かれています。
●精神通院医療
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第5条に規定されている統合失調症、精神作用物質による急性中毒、その他の精神疾患(てんかんを含む)の診断を受けている方で、通院が継続的に必要と認められる病状にある方に対して、その通院の際にかかる医療費に対して公費を支給するものです。症状が落ち着いている方についても、その状態が維持できるよう通院を継続する場合には支給されます。具体的には以下のような方が対象となります。

(参考:https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jiritsu/seishin.html)
●更生医療
身体障害者福祉法第4条に規定する身体障害者で、その障害を除去・軽減する手術などの治療で確実に効果が期待できる方に対して、公費が支給されます。年齢を問わず活用できる制度です。例として以下のような方が対象となります。
【更生医療の対象となる障害の標準的な治療の例】
① 視覚障害
白内障 → 水晶体摘出手術
網膜剥離 → 網膜剥離手術
瞳孔閉鎖 → 虹彩切除術
角膜混濁 → 角膜移植術
② 聴覚障害
鼓膜穿孔 → 穿孔閉鎖術
外耳性難聴 → 形成術
③ 言語障害
外傷性または手術後に生じる発音構語障害 → 形成術
唇顎口蓋裂に起因した音声・言語機能障害を伴う者であって、鼻咽腔閉鎖機能不全に対する手術以外に歯科矯正が必要な者 → 歯科矯正
④ 肢体不自由
関節拘縮、関節硬直 → 形成術、人工関節置換術など
⑤ 内部障害
心臓
先天性疾患 → 弁口、心室心房中隔に対する手術
後天性心疾患 → ペースメーカー埋込み手術
腎臓
腎臓機能障害 → 人工透析療法、腎臓移植術(抗免疫療法を含む)
肝臓
肝臓機能障害 → 肝臓移植術(抗免疫療法を含む)
小腸
小腸機能障害 → 中心静脈栄養法
免疫
HIVによる免疫機能障害→抗HIV療法、免疫調節療法、その他HIV感染症に対する治療
(参考:https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jiritsu/kousei.html)
●育成医療
児童福祉法第4条第2項に規定する障害児で、その身体障害を除去、軽減する手術などの治療で確実に効果が期待できる方に対して、公費が支給される制度です。対象者へは生活の能力を得るために必要な自立支援医療費が支給されます。
なお、障害に関係する医療が必要ない場合でも、将来障害を残すと認められる疾患がある場合は対象となります。具体的には以下のような方が対象となります。
【育成医療の対象となる障害】
① 視覚障害
白内障、先天性緑内障
② 聴覚障害
先天性耳奇形 → 形成術
③ 言語障害
口蓋裂など → 形成術
唇顎口蓋裂に起因した音声・言語機能障害を伴う者であって、鼻咽腔閉鎖機能不全に対する手術以外に歯科矯正が必要な者 → 歯科矯正
④ 肢体不自由
先天性股関節脱臼、脊椎側彎症、くる病(骨軟化症)などに対する関節形成術、関節置換術、および義肢装着のための切断端形成術など
⑤ 内部障害
心臓
先天性疾患 → 弁口、心室心房中隔に対する手術
後天性心疾患 → ペースメーカー埋込み手術
腎臓
腎臓機能障害 → 人工透析療法、腎臓移植術(抗免疫療法を含む)
肝臓
肝臓機能障害 → 肝臓移植術(抗免疫療法を含む)
小腸
小腸機能障害 → 中心静脈栄養法
免疫
HIVによる免疫機能障害→抗HIV療法、免疫調節療法、その他HIV感染に対する治療
その他の先天性内臓障害
先天性食道閉鎖症、先天性腸閉鎖症、鎖肛、巨大結腸症、尿道下裂、停留精巣(睾丸)など → 尿道形成、人工肛門の造設などの外科手術
(参考:https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jiritsu/ikusei.html)












