全日本学校教材教具協同組合と筑波大学附属大塚特別支援学校は、「あの子の教材をみんなの教材に」というテーマを掲げ、2025年2月21日に浦安ブライトンホテル東京ベイ(千葉県浦安市)で「第2回インクルーシブ教育教材コンテスト」を開催しました。このイベントでは、最終審査として入賞教材について制作者が想いのこもったプレゼンテーションを行い、最優秀賞が決定しました。また、会場には第1回インクルーシブ教育教材コンテストから生まれた教材が展示され、教材を広く流通させるというコンテストの趣旨を印象付けました。

記事概要1

表彰内容
・最優秀賞(1点):
「inCLumインクルーシブ教育教材カタログ」よりお好きな教材10万円分、表彰状、記念トロフィー、副賞

・優秀賞(5点) :
「inCLumインクルーシブ教育教材カタログ」よりお好きな教材3万円分、表彰状、記念トロフィー、副賞

・特別賞(各1点、計3点):
「inCLumインクルーシブ教育教材カタログ」よりお好きな教材1万円分、表彰状、記念トロフィー、副賞

〈特別賞表彰企業〉
  ・ 日本生命賞  1点
  ・ 合同出版賞  1点
  ・ 三和製作所賞 1点
・オーディエンス賞(1点):記念品

審査方法
1.最優秀賞、優秀賞、特別賞:審査員による定量審査。
2.オーディエンス賞:会場投票


受賞作品
【最優秀賞】
ぴったり10カード(小学生(知的障害)の部)

小林涼介先生 / 札幌市立手稲鉄北小学校(北海道札幌市)

〈教材の狙い・目的〉
 繰り上がりのある足し算や繰り下がりのある引き算を指を使って計算する子達に向けて、合わせて10になる数の組み合わせを、遊びを通して学ぶことができることをねらいとして、教材を作りました。

ぴったり10カード↓


↑喜びの小林先生


↑教材プレゼンテーション


【優秀賞】

いじわるクイズ(就学前の部)

近久あゆみ先生 / 愛知教育大学附属幼稚園(愛知県名古屋市)
〈教材の狙い・目的〉

【心情・思考面でのねらい】
・頭で思い描いていたものと実際の絵との違いを楽しむ。
・絵の一部から全体像を推察し、イメージを膨らませながら考える。

【言葉の発達面でのねらい】
・言葉がうまく出てこない子(発達障害・知的障害・場面緘黙・日本語が母語でない子等)が“思わず”発語したくなるようなワクワク感を感じる。

【行事(誕生会)としてのねらい】
・(最後の誕生日ケーキイラストで)誕生会への期待感をもつ。
・お祝いの気持ちを膨らませる。

↓いじわるクイズ


作図マスター三角定規(小学生(発達障害)の部)
中村恭子先生 / 浜松市立赤佐小学校(静岡県浜松市)

〈教材の狙い・目的〉
三角定規を使って、垂直や平行の作図をするのが苦手な子たちがいます。
なかなか作図ができない子たちの手元を見ていると、この苦手さの元となっている「わからないポイント」として、
 ①三角定規のどこをどこに合わせたら良いのかがわからない、
 ②三角定規の操作の手順がわからない、の2点が大きいと感じられました。
それらを解消して、三角定規を使った作図が苦手という子に「できた!」「わかった!」を感じてもらえることを目的につくりました。

↓作図マスター三角定規


オリジナル防災バッグを作ろう(中学生の部)
竹田一哉先生 / 京都市立西総合支援学校(京都府京都市)

〈教材の狙い・目的〉
本教材は、令和6年元日に起きた能登半島地震から学び考えました。
私の故郷である石川県七尾市も大変な被害を受けました。
実際に被災し避難生活を送ったり災害ボランティアで様々な復旧作業をお手伝いしたりする中で、日頃から防災意識を高めることや事前に準備しておくことの大切さを学びました。
そこで、防災グッズを実際に見たり触れたりしながら自分が必要だと思う物を選び、オリジナルの防災バッグを作る活動に取り組むことで、生徒が主体的に防災について考え防災意識を高めるきっかけになってほしいという願いから本教材を作成しました。

↓オリジナル防災バッグを作ろう


『やりくりシミュレーションシート』(高校生の部)
北村三枝先生 / 高知県立中村特別支援学校(高知県四万十市)

〈教材の狙い・目的〉
就労後、毎月手にするお給料を、生活に必要なもの、自分の楽しみのためのもの、将来に備えた貯金、と上手にやりくりする方法を覚え、適切な金銭管理のしかたを理解し、正しい金銭感覚を身につけるために作成した学習ツールです。
卒業後の働く生活がより豊かなものとなるよう願いを込めて作りました。

↓『やりくりシミュレーションシート』


文クル(福祉・一般の部)
村井千晴様 (奈良県)

〈教材の狙い・目的〉
「文クル」(文章をクルクルして作る)は、文章を作るときに「は」と「わ」を間違えやすい子どもを対象に、楽しく体験的に助詞を習得するための教材です。
助詞が分からない子には、以下の3つの背景があります。
 ・学校では助詞を学ぶ機会が少なく、理解できないまま学年が上がってしまう。
 ・助詞を意識して文章を作る機会が少ない。
 ・そもそも文章をつくることに苦手意識がある。

そこで100%間違えのない文づくりができる「文クル」を用いることで、安心して「できた!」を体験できる教材を開発しました。

↓文クル