この連載では、発達障害や発達特性のあるお子さんが、日ごろ感じている「生きづらさ」をサポートしてもらえる制度やサービスについて、初歩的な情報から実践的な内容まで、わかりやすく紹介していきます。第1回のテーマは、「受給者証」についてです。

「受給者証」は、「障害者手帳」とは違うもの

 「受給者証」は、何らかの障害をもった人や難病の診断を受けた人が、医療・福祉サービスを利用するための受給資格があることを証明するものです。これと似たものに「障害者手帳」がありますが、この二つはまったく別のもので、交付目的や発行機関に違いがあります。

 「障害者手帳」は、障害の内容や程度を認定して、本人に障害があることを証明する手帳の総称のことであり、具体的には「身体障害者手帳」、「療育手帳」、「精神障害者保健福祉手帳」の3種類の手帳があります。それぞれ都道府県などで発行されます。いっぽう「受給者証」は、障害をもつ人が受けることができるサービス内容や、1カ月あたりのサービス利用限度日数、有効期限などが記載されており、こちらは市町村などの自治体で発行されます。

●「受給者証」にも種類がある
 受給者証には大きく分けて「医療受給者証」と「福祉サービス受給者証」の2種類があります。これらは、お住まいの地域の市区町村役場で所定の手続を行うことで、障害認定を受けているかどうかに関係なく、身体的、精神的、知的な障害があると見込まれ、サービスの利用対象者と認定された場合に、対象となったそれぞれのカテゴリーのサービスごとに発行されます。もちろん一般の方たちには障害の程度やサービス利用可否の判断はできませんので、主治医や、お住まいの地域の障害者福祉担当窓口などに一度相談する必要があるかもしれません。

 なお、「医療受給者証」については、医療機関への受診、手術などに対しての助成を、「福祉サービス受給者証」については、それぞれの障害に対応した福祉サービス(例:発達障害の場合は「児童発達支援」「放課後等デイサービス」など)を受けることができます。一般的に受給者証といえば、「福祉サービス受給者証」のことを呼ぶことが多いようです。