発達特性と共に歩む方々のリアルな声を届ける特別連載。第6回は、現在20代で会社員として働く今藤孝拓(こんどう たかひろ)さんのインタビュー後編です。後編では、現在の仕事内容や、一人暮らしに向けて進めている準備など、今の生活や将来への思いについて伺いました。(取材:2025年12月13日)

苦手な作業も自分に合った工夫でやりやすく

 現在勤務している特例子会社には、約1年6カ月在籍しています。前職在籍時に休職を経て就労移行支援事業所を利用し、再就職しました。

 現在の職場までは、電車通勤をしていて1時間ほどかかります。主な仕事は、会社に届いた郵便物を部署ごとに仕分け・配送し、各部署からの集荷を行うことです。ほかに、軽作業やコピー用紙の配送なども担当しています。

 勤務時間は、日によって始業時間が異なり、月曜日は8時で、火曜から金曜は1週間ごとに変更になる早番と遅番があります。早番は始業が8時10分で、遅番は8時40分からです。終業時間は共通で17時10分となります。仕事内容に大きな違いはありませんが、早番の日は朝の郵便物の仕分けを多く担当します。

 配送業務は、仲間と協力しながら複数名で進められ、合間にちょっとした雑談もできるため気に入っています。一方で手作業は苦手で、名刺用紙を切る作業には特に難しさを感じていましたが、自分に合ったハサミを使うことで作業しやすくなりました。そのため、自分に合った道具を選ぶことも大事なことだと感じています。


▲手作業が苦手だと話してくれた孝拓さん。苦手なことにも、支援を受けたり道具を変えたりしながら工夫することで、無理なく挑戦している姿が印象的だった

一人暮らしを目標に、現在はグループホームで生活


 現在は、“一人暮らし体験型”のグループホームで生活しています。私は一人暮らしを将来の目標としているので、段階的に次のステップへ進める環境が自分に合っていると感じ、入居を決めました。

 一般的なグループホームとは異なり、アパートの一室で暮らすかたちです。入居者の共用スペースはなく、一人暮らしに近い環境ですが、来客の制限や、「夜間に規定の時間を過ぎて帰宅するときは、スタッフに報告を入れる」などのルールがあります。これらは、安全面を考えて必要なものだと受け止めています。そして、スタッフの方が定期的(週に数回)に訪問してくれて、「何を食べたか」「何をしたか」などを書いた生活記録や1日の流れを書いた行動記録の確認、困りごとの相談などを通して生活全般をサポートしてくれています。

 「仕事に就いていること」といった入居条件や、入居期間の上限などもあります。他の福祉サービスとの併用が入居条件に抵触するのではないか心配で相談したときは、スタッフの方が一緒に確認・調整してくださり、一人暮らしに向けた流れを途切れさせずに続けられたことは大きな経験になりました。

苦手な整理整頓も、相談しながら無理なく取りくむ

 料理は好きではありませんが、栄養が偏らないように気をつけて食材を選び、焼きそばやカレーなどを作っています。日常生活で特に苦手なのは、整理整頓です。衣類や書類などの管理が難しく、書類はスタッフの方と一緒にファイル分けをして整理しています。定期訪問があり、相談しながら進められるのでありがたいです。


▲苦手な書類整理はグループホームのスタッフに相談しながら、関連項目ごとにファイル分けをしている

 家事のなかでも生活に直結する料理や洗濯を優先し、掃除や整理整頓は無理のないペースで取りくんでいます。

 今後やってみたいことの一つは、グループホームを出て一人暮らしをすることです。今は月に一度、友人の家で「キャラクターゲーム対戦」を楽しんでいますが、将来は自分の家に友人を招いて過ごせたらいいなと思っています。