
精神・発達障がい者採用について、採用手法や課題に関する実態調査を実施
レバレジーズ株式会社が運営する障がい者就労支援サービス「ワークリア」( https://worklear.jp/)は、障がい者採用の担当者を対象に、近年増加傾向にある精神・発達障がい者※1の採用について、採用手法や課題に関する実態調査を実施しました。
■本調査における企業規模の定義
中小企業:従業員数~999人以下の企業を指す
大企業:従業員数1000人以上の企業を指す
※1 厚生労働省,2024年3月「令和5年度障害者雇用実態調査結果を公表します(1貢)」
( https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/001233719.pdf )
<調査サマリー>
障がい者雇用の目的、「社会的責任の遂行」が最多
採用に課題を感じる企業は7割超え、中小企業では「面接官の障がい者雇用や法制度への理解不足」も
精神・発達障がい者採用、「体調の安定性」を最重視、約6割の企業が回答
1.障がい者雇用の目的、「社会的責任の遂行」が最多
障がい者雇用を行っている採用担当者768名に対して、自社で雇用する従業員において最も多い障がい種別を聞いたところ、「身体障がい(48.8%)」が最も多く、次いで「知的障がい(19.8%)」「精神障がい(15.4%)」と続きました。

主に精神・発達障がい者を採用していると回答した企業に採用手法について聞いたところ、企業規模に関わらず1位は「ハローワーク経由での採用」となり、次いで「障がい者専門の人材紹介サービス」「自社採用」が続きます。

精神・発達障がい者を雇用する目的は、「企業としての社会的責任を果たすため(47.4%)」や「法定雇用率達成のため(38.5%)」、「多様な人材が活躍できる社会の実現のため(30.8%)」が上位を占めました。

企業規模別では、「法定雇用率の達成(中小企業40.3%、大企業50.0%)」、「社会的責任の遂行(中小企業37.3%、大企業51.7%)」、そして「多様な人材が活躍できる社会の実現の(中小企業25.4%、大企業36.7%)」といった項目において、大企業は中小企業よりも約10ポイント高い傾向が見られました。
これにより、大企業はコンプライアンス遵守や企業イメージの向上といった社外的な視点を重視していることが見受けられます。
一方で中小企業では、「既存社員の成長促進(中小企業16.4%、大企業13.3%)」や「イノベーションの創出(中小企業16.4%、大企業10.0%)」などが挙げられました。
中小企業では障がい者雇用に対し、自社内へのポジティブな変化や成長への期待が強い傾向が見て取れます。

2.採用に課題を感じる企業は7割超え、中小企業では「面接官の障がい者雇用や法制度への理解不足」も
「精神・発達障がい者の採用活動に課題を感じるか」の質問に対し、「非常に感じている(28.8%)」と「どちらかというと感じている(43.6%)」を合わせた回答は72.4%にのぼり、採用担当者の7割以上が課題を感じていることがわかりました。

採用する上での課題は、「任せる業務の切り出し(63.8%)」が最多で、次いで「応募者の能力・適性の見極め(44.9%)」「配属先社員の知識不足(36.2%)」と続きます。

企業規模別で分析すると、中小企業では「面接官の障がいに対する知識(理解)不足(中小企業26.8%、大企業15.7%)」や「障がい者雇用に関する法制度の理解(中小企業15%、大企業7.8%)」が相対的に高く、採用の前提となる知識面理解面に課題を感じている傾向が見られました。
一方、大企業では「応募者の能力・適性の見極め」(47.1%)や「配属先社員の知識不足」(41.2%)といった、採用の実務や入社後の受け入れ体制に関する課題が中小企業よりも高くなっています(中小企業:42.2%、34.8%)。
この結果から、中小企業では採用に向けた土台づくりが、大企業では業務の切り出しや職場環境の整備といった、より実践的な対応が求められていることがうかがえます。
